ガラスを装飾する方法
 ガラスは、いろいろな方法で装飾することができます。その方法を大きく分けてみると次のようになります(これらの方法の組み合わせもあります)。
1. ガラスそれ自体の性質を変える方法
 いちばん良く知られているのは、ガラスに色を付けたり、不透明(乳白)にしたりすることです。いろんな色を組み合わせることもあります。
2. 溶融状態でガラスを飾る方法
 ガラスがまだ軟らかいうちに装飾する方法がいろいろあります。

 例えば、「型を使って模様をつける」、「色ガラスを被せる」、「金属や色ガラスを中に挟み込む」、「泡を入れる」、「急に冷やして表面に細かいひび割れを入れる」などの方法があります。さらに、細い糸のようにしたガラスを巻き付けたり、でっぱりを付けて装飾する方法もあります。
3. ガラスを削って装飾する方法
 ガラスが冷えて固くなってから装飾する方法もいろいろあります。

 その一つがガラスの表面を削りとって装飾する方法です。これには、回転する砥石や、研磨剤を流した金属製の円盤を使ってガラスに切り込みを入れたり、浮彫りをしたりする方法が良く知られています。
 直線的な切り込みの組み合わせで装飾する方法を「カット」といい(切子(きりこ)ともいう)、浮彫りなどを装飾することを「グラビール」と呼んでいます(グラビールは、彫刻するという意味のフランス語からきた言葉です)。

 ガラスを削る方法には、それ以外に、ダイヤモント・ポイントを用いて手軽にできる「ギヤマン彫り」、砂を吹き付けて削る「サンド・ブラスト」などのやり方もあります。
4. ガラスの上に絵を描いたり金属膜を付ける方法
 ガラスが冷えてから装飾するもうひとつのやり方は、ガラスの表面に何かを付けてゆく方法です。

 例えば、エナメルを使って絵を描いたり(エナメルというのは、ガラスの粉に顔料(色の原料)を混ぜたもの。これで絵を描き、あとで加熱して焼き付ける)、貴金属(例えば「金箔」)を貼ったり、薄い透明金属膜をコーティングして(ラスター加工)、光の干渉を利用して、見る角度で色の変わるガラスを作ったりできます。



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