ガラスの色は、ガラス原料に、主として金属酸化物(硫化物や塩化物の場合もあります)を加えることで得られます。同じ着色剤を使っても、ガラスの成分が変わると色が変わることがあり、また、ガラスを溶融する条件によっても色が変わることがあります。

 よく使われる着色剤と色との関係を次の表に掲げておきます。これは主としてソーダ石灰ガラスの場合です。


着色剤
マンガン+銅、コバルト
コバルト、銅
クロム、鉄、銅(緑系統の色はクロムが一般的)
緑(蛍光)ウラニウム
銀、ニッケル、クロム、カドミウム
鉄+硫黄(還元剤として炭素を一緒に使う)
黄赤セレン+カドミウム
金、銅、コバルト、セレン+カドミウム
赤紫ネオジム、マンガン
濃い色を出すいろいろな着色剤を混ぜ合わせる
(Mn,Cr,Ni,Co,Fe,Cuなど)
乳白ふっ化カルシウム、ふっ化ソーダ、りん酸カルシウム

(注)
1:ガラスの着色は、金属イオンによる場合、非金属イオンによる場合、金属コロイドによる場合の3種類があり、金属イオンによる場合がもっとも一般的である。
2:ガラス中に金属コロイドが分散することによって着色する場合、溶融したガラスは無色で、再加熱することにより発色させることがある。金や銅による赤系統の発色はこれに該当する。
3:乳白色の着色は、ガラス中に細かい結晶が分散するために乱反射を起こして生ずるので、他の金属などによる着色とは機構が異なる。