普通のガラスの中心になる成分はシリカ(珪酸(けいさん)ともいいます)で、化学式で書くとSiOです。

 普通のガラスは、珪砂・ソーダ灰・石灰が主な原料で、さらに丈夫にするためや色をつけるために必要な原料を加え、よく混ぜて、高い温度でガラスにします。


珪砂(石英)

 シリカの原料としては石英(せきえい)の砂が用いられます。これは珪砂(けいしや)と呼ばれています。石として掘り出されることもあり、こちらの方は珪石(けいせき)と呼ばれ、砂のように細かく砕いて使います。砕いたものも珪砂と呼びます。

 石英に少し不純物が混ざって色がつく場合があります。たとえば紅色(バラ色)になったものを「紅石英(ローズ・クォーツ)」といいます。何百年か何千年の時間をかけて、いくつかの不純物がきれいに層を作る場合があり、これが「めのう」です。

 石英の結晶が大きく成長して、六角形の透明な柱のような形になったものを水晶(すいしょう)といいます。水晶はそのまま加工して、いろいろなかざりや置物に使われますが(水晶細工)、砕いてガラスの原料としても使えます。

 初期のガラスは、原科に含まれている多量の不純物や、製造方法が不備であったことよる多数の泡や凹凸などのため、不透明ですが、昔の人達は「めのう」や「ラピス・ラズリ」のようなきれいな石(貴石)の代わりにガラスを使ったとも言われ、透明性はあまり問題にされていなかったようです。

ソーダ灰

無水炭酸ナトリウム NaCO
ガラスの中では酸化ナトリウム(NaO)の形になっています。
初期のソーダ灰は、文字通り草木を燃やした灰から作られていました。

石灰

炭酸カルシウム(CaCO)を含む鉱石を原料として用います。
ガラスの中では酸化カルシウム(CaO)の形になっています。